7月下旬あたりから3月期決算企業の第1四半期業績発表が増えてくることで、今後、決算への期待感を材料に主力株が買われる可能性はある。第1四半期決算のタイミングで、今期予想を早々に上方修正する企業は少ないと思うが、「TOPIXの史上最高値更新」を見た外国人投資家が日本株買いに走れば、日経平均やTOPIXは上値追いの展開となる可能性もある。
市場では、今週決算日を迎える上場投資信託(ETF)の売りが警戒されている。投資家への分配金を捻出するために売りが入るとの見込みで、証券会社による試算では、現物株と先物の合計で1兆円から1.3兆円ほどとのことだ。毎年、この時期になると話題となる話なので、既に織り込まれており影響は限定的との見方だが、昨年の日経平均の年間高値は7月3日(33753.33円)につけているので、投資家心理としては気になるところだ。需給面でのネガティブイベントが控えているため積極的な売買は手控えられて、今週の東京市場は様子見ムードが強まる可能性はある。個別株を含め、足元の上昇に対する過熱感を冷ますような小さな調整を想定する。
なお、為替は1ドル160円台で推移している。政府・日本銀行による円買い介入観測は引き続き強いが、「急ピッチ」な円安ドル高が進行しているわけではないので、円買い介入は実施しにくいとの見方が強い。日銀会合の2-3週間前あたりから、日銀関係者による情報が伝わり始めることで、日銀会合リーク情報を巡る為替市場や金利市場の動向に要注目となろう。
今週にかけて、国内では、8日に5月国際収支、6月景気ウォッチャー調査、10日に6月国内企業物価、11日に5月機械受注、12日に5月鉱工業生産(確報値)などが予定されている。
海外では、9日に豪・7月Westpac消費者信頼感指数、10日に中・6月生産者物価指数、消費者物価指数、NZ・中銀政策金利、トルコ・5月鉱工業生産指数、米・5月卸売在庫(確報値)、週次原油在庫、11日に独・6月卸売物価指数、消費者物価指数(確報)、英・5月鉱工業生産指数、製造業生産高、貿易収支、米・6月消費者物価指数、週次新規失業保険申請件数、12日に独・5月小売売上高、中・6月貿易収支、米・6月生産者物価指数、7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。