トレンド

《横綱の収入詳細》2場所連続休場でも照ノ富士はこの半年で6328万円の収入 大躍進した大の里を1300万円上回る結果に

5月場所初日の照ノ富士(左)は、大の里(右)に敗れ、窮状に追い込まれた(写真・時事通信フォト) 5月場所初日の照ノ富士(左)は、大の里(右)に敗れ、窮状に追い込まれた(写真・時事通信フォト)

 大相撲7月場所の番付発表があり、5月場所で史上最速の初優勝を飾った大の里(24)が新関脇に昇進した。幕下付け出しデビューから所要7場所での新関脇は、昭和以降では2位タイのスピード記録。今年に入っての快進撃で収入も大幅アップし、「土俵にはカネが埋まっている」の格言を体現しているが、その大の里と、ケガに苦しんで連続休場の横綱・照ノ富士(32)を比較すると“番付社会”の実像も見えてきた。

 7月場所で大の里が“チョンマゲ頭での連続優勝”となれば、新入幕から4場所での史上最速での大関昇進の可能性もあるとみられている。相撲担当記者が言う。

「2024年に入ってからの土俵の主役は大の里です。1月場所で新入幕(西前頭15枚目)を果たすと、9日目に勝ち越して優勝争いのトップに立った。10日目からは異例とも言える関脇、大関、横綱との対戦が組まれ、最終的に11勝4敗の成績だったが、敢闘賞を受賞する活躍を見せました」(相撲担当記者)

快進撃で大の里の月給は180万円に

 西前頭5枚目に昇進した3月場所は、全勝の新入幕・尊富士(25)を星ひとつの差で大の里が追う展開となった。10日目に直接対決で敗れたが千秋楽まで優勝争いに絡み、11勝4敗で敢闘賞と技能賞を受賞。5月場所では西小結に昇進して終盤に単独トップに立つと、そのまま史上最速での初優勝を飾った。殊勲賞と技能賞を受賞し、入幕3場所連続で通算5個目の三賞獲得となった。相撲担当記者が言う。

「今年1月場所で新入幕を果たすと、毎場所のように優勝争いに絡み、平幕力士として番付崩壊の主役となった。三役に昇進すると今度は番付崩壊を食い止める活躍を見せた。そんな大活躍により、収入も一気に増えました」

 1月に新入幕を果たした大の里は、月給140万円となり、持ち給金も60円に引き上げられた(持ち給金は4000倍した額の力士褒賞金が本場所ごとに支払われる)。5月場所からは小結に昇進したため月給が180万円にアップした。

 3場所(6か月)の月給は計920万円。新入幕から2場所で11勝を挙げたことで持ち給金もアップし、力士褒賞金は3場所合計76.2万円となった。これに三役の支払われる本場所特別手当5万円、地方場所の出張手当と東京場所の力士補助金29.9万円が加わる。

3場所中2場所を途中休場した照ノ富士のほうが収入が多い

 5月場所で幕内優勝した大の里は賞金1000万円を獲得し、3場所連続で受賞した三賞(合計5個)の賞金も1000万円となる。幕内力士の取組に懸かる懸賞金も大きな収入となり、優勝した5月場所の大の里は、琴櫻(26)、豊昇龍(25)に次いで3番目に多い223本を獲得。1本6万円なので1338万円になる。1月場所と3月場所では計103本の懸賞金(618万円)を手にしており、3場所で1956万円の懸賞金を獲得している。

 積み上げていくと大の里は5月場所が行なわれた1か月だけで2952.3万円を稼ぎ、2024年の3場所(6か月)で4987.1万円を手にした計算になる。

 2024年の大相撲を沸かせた大の里が大きな額を得るのは当然の結果なのだが、今年に入って3場所のうち2場所も休場しながら、大の里を上回る収入を得た力士がいる。横綱・照ノ富士である。

 照ノ富士は3場所連続休場明けの1月場所こそ、琴ノ若(現・琴櫻)との優勝決定戦を制して13勝2敗で9回目の優勝を飾ったが、3月場所は初日から黒星を喫し、4日目からは3連敗して7日目から休場。5月場所は初日に大の里と対戦してすくい投げで完敗すると、2日目から2場所連続で途中休場に追い込まれた。横綱在位17場所で10回目の休場だった。

2人の違いは1300万円以上「月給、力士褒賞金、懸賞金の差が大きい」

 照ノ富士が本場所の土俵に上がったのは今年の3場所45日のうち22日だけ。だが、計算していくとそれで大の里の収入を上回っていた。その内訳は別掲表の通りだ。

大の里と照ノ富士の半年間の収入を試算して比較した 大の里と照ノ富士の半年間の収入を試算して比較した

 3場所での月給は1800万円(300万円×6か月)。力士褒賞金は3場所の合計1308.5円(412.5円+448円+448円)で、これを4000倍すると523.4万円となる。さらに出場した日数によって変わる本場所特別手当39.8万円(20万円+13.2万円+6.6万円)、地方出張手当と力士補助金43.5万円が加わる。1月場所での幕内優勝賞金1000万円、懸賞金2922万円(487本×6万円)を合わせて6328.7万円となる。大の里より3場所の収入が1300万円以上収多かった。協会関係者が言う。

「番付社会というだけあって、横綱と三役では月給が倍近く違う。力士褒賞金の違いも大きい。勝ち越しのたびに加算され、負け越しても減額はない。金星や優勝などでの特別加算もあり、引退するまで積み重ねられていくため現役生活が長いほど報奨金は多くなる。

 幕内の取組に懸けられる企業や商品の懸賞金(1本6万円)の収入も、番付が最上位になると一気に大きくなる。演出として盛り上げるために、横綱や大関戦に集中させて懸賞金が懸かるので、平幕の力士が懸賞金を手にするには横綱や大関を倒さないといけない。必然的に横綱や大関は懸賞金の獲得本数が多くなります」

 ガチンコ相撲で番付崩壊となっている土俵上とは違い、力士が手にするお金は番付通り。実力主義というわけにはいかないようだ。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。