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【業者&斎場決定後の葬送トラブル】参列者の人数で誤算、遺影がない、供花辞退が伝わらず、改葬手続きで思わぬ出費

兄弟は説得したけれど

 お墓でもつまずきやすいポイントがある。昨年、改葬(お墓の引っ越し)を行なった60代男性D氏が打ち明ける。

「歳とともに遠方にある先祖代々の墓の維持管理が困難になってきました。そこで長男である私の自宅近所の霊園に改葬することにしたのです」

 当初、2人の弟は改葬に反対していたが、説得を重ねて了承を得た。菩提寺にも話を付け、問題は解決。あとは墓を移すだけ、という段になって、Dさんは頭を抱えた。煩雑な改葬手続きが待っていたからだ。

「役所で改葬許可申請書を手に入れ、墓地管理者から埋葬証明書、受入証明書をもらい、ようやく改葬許可証が手に入りました。一連の手続きは非常に煩雑でした。

 出費も新しい墓地代と墓石の購入費だけでは済まなかった。遺骨取り出し、墓石撤去、新旧の霊園における閉眼・開眼供養と毎回数万円の金が出ていく。結局予算を大幅に超え、300万円以上かかりました」

 D氏は「改葬は失敗だった」と後悔している。

「一般的な墓に再び納骨するなら、墓地代と墓石以外の諸費用合わせて300万円かかることもあります。いまは1回2万~3万円程度でお墓の管理を請け負う墓地管理代行サービス業もあります。家計を逼迫させてまで無理に改葬する必要があるか、家族と相談してほしい」(佐藤氏)

※週刊ポスト2024年8月16・23日号

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