人手不足解消のため、人材マッチングサービスに注目が集まっている。スポットワークのマッチングサービス「タイミー」が新規上場したことも話題となった。経営コンサルタントの大前研一氏は、AI時代に求められるのは「自分のスキルと時間を“売り”にするタイミー的仕事術」だと指摘する。それはどういった働き方なのか、大前氏が解説する。
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7月26日にIPO(新規公開株式)を行なった「タイミー(Timee)」が、今年最大の上場規模案件として話題になった。
同社の事業内容は「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイト募集サービスの運営などで、2017年に立教大学の学生だった小川嶺氏が前身となる会社を創業し、2018年から現在のサービスを開始した。
利用者は履歴書や面接なしにスキマ時間で飲食店や物流、小売りなどのアルバイトに応募でき、日本全国で700万人以上が登録している。企業は働いてほしい時間や求めるスキルを設定するだけで条件に合った働き手を集められる。
つまり、いまや企業は自前の人材で固定費をかけてすべての業務をカバーするのではなく、空いた仕事や足りないスキルは、まるでジグソーパズルの空白部分を埋めるピースのように、ネットで社外から募集する時代になっているのだ。
日本の場合、タイミーなどはまだスキマバイト中心だが、アメリカなどの英語圏ではハイエンドの人材がスキルと時間を世界的に“バラ売り”するナインシグマやリンクトインなどのマッチングサービスが当たり前である。たとえば、製薬のイーライリリー、ヘルスケアのジョンソン・エンド・ジョンソン、一般消費財のプロクター・アンド・ギャンブルなどが、その外部人材を活用して様々な研究開発を行なっている。