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《一時1ドル=141円台に》為替市場急変を演出した「円キャリートレードのアンワインド」はまだ終わっていない 「140円を割れると一気に130円、120円も」元ディーラーが警鐘

7月11日には1米ドル=161円台で推移していたが、その後急速に円高が進んでいく(TradingViewより)

7月11日には1米ドル=161円台で推移していたが、その後急速に円高が進んでいく(TradingViewより)

 政府・日銀の2日連続の為替介入は一連の米ドル/円の下落のきっかけですが、さらに7月31日、日銀が金融政策決定会合で政策金利を0.25%程度に引き上げる追加利上げと、国債買い入れの減額計画を同時に決定。これを受けて日米金利差の縮小を意識した円買い・米ドル売りが広がり、一時150円割れまで円高ドル安が進んだところに、今度は米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が9月に利下げする可能性について言及。加えて8月2日に発表された7月の米雇用統計が予想外の弱い内容だったことから、米国の景気悪化への懸念が拡大して米国株の大幅下落とドル安円高を後押しし、1米ドル=146円台まで円高が進みました。

 週明けの8月5日には、米ドル/円は一時141円台まで急落し、6日にはそこから反発も見せていますが、今後どのくらいまで下落するのか、あるいは上昇するのか、非常に予想しにくい相場になっています。

 162円近くまで上昇していった米ドル/円相場ですから、150~155円よりも高値で円キャリートレードをしたポジションはまだ大量に残っていると推察されます。機関投資家や、ある程度の投資経験がある人は、ストップロスオーダーを入れるなど損切り設定をしているものですが、一般論として多くの個人投資家はストップロスオーダーを入れずに持ち切ってしまおうとする傾向があり、また、たとえば「150円まで下がったから、ここから戻るだろう」といった感じで、米ドル買いに参入してしまう人も出てくるからです。

1つの要になる「140円ライン」

 では、今後の米ドル/円相場の見通しはどうか。もし140円を割れたらもう一段、ドル売りの動きが出るのは間違いないでしょう。今後130円、120円に突入する可能性はありえると思います。

 140円のラインは今後の円相場を予想する上で、1つの要になると考えています。

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