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投資

《一時1ドル=141円台に》為替市場急変を演出した「円キャリートレードのアンワインド」はまだ終わっていない 「140円を割れると一気に130円、120円も」元ディーラーが警鐘

 6日午後現在145円前後までリバウンドして推移していますが、141円台をつけた8月5日のような勢いの下落が再び起こって140円を割れば、一気に130円ぐらいまで米ドル/円が下落しても決しておかしくはありません。

 反対に、140円を割らずにこのままキープされれば、148円ぐらいまでリバウンドする可能性はあります。

 ただ、そこまでリバウンドすると「撤退のタイミング」と考えて米ドルを売る動きが出てくると思われます。それによって米ドルが下がると、損切りなどでさらに売りが出て下落が続くという、売りが売りを呼ぶ相場になってしまいます。

 2021年ごろから約3年にわたって積み上がってきた円キャリートレードのポジションは多く残っており、アンワインドの動きはまだまだ終わらない。現在、米ドル/円のロングのポジションから動けずに困っている人たちが山積している状態であり、この状態が続くならば、米ドル/円はこの先もまだ落ちるということになります。

 クロス円(米ドル以外の通貨と円の通貨ペア)に関しても、対円でユーロもポンドも豪ドルも7月末から8月5日にかけて大きく下落しました。

「落ちてくるナイフを掴むな」という相場の格言があります。投資は自己責任で行うものですが、今のような相場ではリスクヘッジとして、含み益、含み損に関係なく、いったん円キャリートレード(円売り・外貨買い)のポジションを解消したほうが安心だと思います。ノーポジションにして冷静によく考えた上で、再度参入したいという結論に至れば、その時にまたトレードを始めればいいのです。FXでも株式でも今回のように壊れてしまった市場からいったん撤退することは、生き残るコツであり、重要な戦略だと考えます。

【プロフィール】
松田哲(まつだ・さとし):三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として外国為替や投資全般のコンサルティング業務を行なう。

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