新紙幣対応が追いついていないのは券売機だけではない。自販機も場所によってはまだまだ未対応のところがある、とTさんは言う。
「会社のビルにある飲料の自販機も新紙幣未対応です。喫煙所で、自販機で新紙幣が使えなかったことを同僚に話していると、『タバコの自販機でも新紙幣が使えなかった』と話題になりました。
キャッシュレスが進んでいるとはいえ、まだまだ現金を使う人も多いんだから、券売機や自販機が対応機種になるまで十分時間をかけてから新紙幣を流通させてほしいと思いました」(Tさん)
セルフGS、駐車場、SAでも「使えない」
運送・配送業界もてんやわんやだ。長距離トラックドライバーのWさん(40代男性)は、勤務中に新紙幣が利用できない現場に出くわすのは「しょっちゅう」だという。
「セルフのガソリンスタンドでのことです。給油を終えるまではよかったのですが、セルフレジで新一万円札を利用することができませんでした。『あれっ!』と思ってよく見ると、(福沢)諭吉じゃなくて(渋沢)栄一。財布の中には4万円ありましたが、すべて栄一……。結局店員さんを呼んで、両替をしてもらいました。
聞けばその日は私以外にも3人から新紙幣の両替を頼まれたそうで、『自分は両替要員ですよ』と笑っていました。やっぱり当面は財布に諭吉が必要ですね」(Wさん)
Wさんによれば、「地方の洗車場やコインパーキングの精算機、サービスエリアの自販機などで新紙幣が使えないことは多い」という。