日本電産から4000万円、NEXUSから1億円
この他にも、所属する企業やスポンサーから拠出される報奨金がある。こちらの報奨金は一時所得として扱われ、非課税にはならない。
五輪メダリストに大きな報奨金を出すことで知られている企業にミキハウスがある。2016年のリオ五輪では金メダルに破格の5000万円の報奨金を設定して話題になった。スポーツ紙デスクが言う。
「リオ五輪ではミキハウス所属の選手が競泳、柔道など7競技で計16人が参加したが、金メダル5000万円、銀2000万円、銅500万円と総額3億円を用意していると木村皓一社長がぶち上げた。リオ五輪ではカヌーの羽根田卓也が銅メダルを獲得して報奨金500万円を手にしている。パリ五輪については明言していないが、レスリングの樋口黎(フリースタイル57キロ級)と文田健一郎(グレコローマンスタイル60キロ級)が金メダルを獲得。同等の報奨金が支払われるのではないかと注目されている」
2018年の平昌冬季五輪ではスピードスケート女子で金メダル2個を獲得した高木菜那に日本電産から4000万円が、2004年のアテネ五輪では女子柔道・谷亮子の金メダルにトヨタ自動車から1億円の報奨金が出たと話題となった。
パリ五輪で大活躍を見せたフェンシング。FJE(日本フェンシング協会)はパリ五輪のメダリストに対する報奨金の授与について明言していないが、東京五輪では金メダルを獲得した男子エペ団体のメンバーに対し、FJEから4人に500万円(1人あたり125万円)の報奨金が出た。さらに団体メンバーだった見延和靖には、所属先の企業から別途1億円が贈られて話題になった。
「東京五輪の時は、身延に対し所属先のアミューズメント企業(NEXUS=群馬県)から報奨金1億円が贈られた。同社CEOも元フェンシング選手で、若い時に経済的に苦労しながら転戦を続けていたことが動機になったとされる」(JOC関係者)
企業やスポンサーからの報奨金は非課税とはならないものの、そのぶん額が大きくなる傾向がありそうだ。アスリートは報奨金のためにメダルを目指しているわけではないが、競技に打ち込む励みのひとつにはなっているはずだ。