製品パッケージにトランス脂肪酸の含有の有無や含有量を表示しない理由を問うと、各社はこう回答した。
「トランス脂肪酸等の情報開示は入手できる情報をホームページにより提供しています。特に関心の高いトランス脂肪酸につきましては、角型食パン、山型食パン(食パン)、あるいはあんパン、クリームパン(菓子パン)などの同じカテゴリーに属する銘柄であれば含有量に大きな差がないため、製品個々への表示ではなくホームページにより充分情報提供が図られるものと考えております」(山崎製パン)
「トランス脂肪酸につきましては、ホームページへの情報開示、お客様からの問い合わせに対し、対応させていただいております」(フジパン)
「弊社としましては、個々の製品のパッケージではなくホームページ上で情報提供を行っております」(敷島製パン)
3社とも「ホームページに書いてある」との説明だが、繰り返し述べたように商品のパッケージに記載がなければ多くの消費者には伝わらないだろう。
消費者庁は「食品等事業者への指導に関しては所管外です」
食品表示ラベルへの表示義務を管轄するのは消費者庁だ。
各国が表示義務を設けるなか、日本では規制がない理由を同庁に尋ねると、食品表示法では、「消費者への表示の必要性があること」「事業者にとって表示が実行可能であること」「国際基準と整合していること」の3点が基準になるとしたうえで、こう回答した。
「トランス脂肪酸の量の表示については、現時点において当該三点いずれも満たしているとは言えないことから、義務表示事項とはしていません」(食品表示課栄養成分表示担当)