巨額オイルマネー参入の影響は?
プレーオフシリーズが始まる前の時点では松山の今季獲得賞金は約11億円程度だったが、3連勝するとそれが60億円に迫るのだ。なぜこれほどまでに米国男子ツアー最終盤の賞金は高いのか。
「2021年に設立したLIV招待の影響です。グレッグ・ノーマンがサウジアラビア政府系ファンドの支援を受けて立ち上げたゴルフツアーだが、賞金総額が2500万ドル(約37億円)で予選カットがなくて最下位でも12万ドル(約1776万円)と破格。対抗策として米国男子ツアーも高額大会を追加し、下位選手への保障を手厚くしてLIV招待の引き抜きを防いだ。
現在は対立関係にないが、12試合しか開催されていないLIV招待で獲得賞金1位の選手は1450万ドル(約21億4600万円)を手にしており、現時点の松山を上回る。潤沢なオイルマネーがLIV招待に投じられた影響で米国男子ツアーの賞金総額が増大した」(前出・ツアー関係者)
ちなみにパリ五輪の銅メダルに対する報奨金700万円(JOC100万円、JGA600万円)で、プレーオフシリーズ最終戦と比べると500倍以上の差がある。とはいえ、国の威信をかけた戦いでメダルを手にした松山に多くの日本人が賛辞を贈ったし、それが米国ツアー最終盤の勢いにつながっていることは間違いないだろう。
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