アイドルがきっかけで日本に留学した女性は…
ある男性アイドルの熱心なファンで、中国から日本の大学院に留学してきた女性・Bさん(30代)は、日本で就職を決めた直後に「推しの結婚」に直面した。
「もともとジャニーズアイドルが大好きで日本の大学院に留学しました。修士号を取り、いまは博士課程に在籍しています。語学学校で教えながら、日本での就職を決めたとき、彼の結婚発表があったんです。もともとスキャンダルとかがほとんどなくて、なんとなく『この人は結婚しないんだろうな~』と油断していました。もっと正直にいうと、勝手に『女性が苦手な男性』と思い込んでいたのです(笑)。
日本にいるためのモチベーションが彼の存在だったので、これからどういう気持ちで向き合えばいいか心配ですし、もっと気持ちが薄れたら、中国に帰るかもしれません。考えると辛いですが、私の青春時代はずっと彼に捧げてきたし、稼いだお金もほとんど使ってきました。
良かったことは、アイドルの応援をきっかけに日本語がかなり上達して、それを仕事に活かせるようになったことですね。彼の関西弁を聴いてきたので、今ではほとんどすべて理解できるんですよ(笑)」(Bさん)
自分よりも若い男性アイドルに「推し変」
一方で、「推し」の結婚を受けて、別のアイドルに「推し変」(推す対象を変更すること)する人もいる。都内の私立大学に通う女性・Cさん(20代)は、こう語る。
「私はこれまで推しのために居酒屋とカフェとガールズバーのバイトを掛け持ちして、毎月20万~30万円くらい稼いでいましたね。ガールズバーのバイトは現金手渡しでもらえるのがメリットで、いろいろ助かったというか……。それをオタ活に全部注ぎ込んでいました。ダメなことですが高額の転売チケットを買って、よい席で推しを見ようとしたりしてきたんです。
でも結婚報道を受けて、一気に冷めて(笑)。自分はガチ恋勢、本気で恋愛感情を持っていたタイプだったので、受け止めきれなかった。でもオタク活動が人生のすべてなので、アイドルを推す日常を失うのはイヤ。だから『推し変』して、今度は自分よりも若い推しを見つけて、いまではその子に夢中です。結婚した推しは、完全に『元カレ』という扱いになりましたね」(Cさん)
「アイドルは結婚してはいけない」という風潮も今は昔。SNSではアイドルの結婚を祝福する投稿が多数を占めるなか、お金と時間を注ぎ込んできたファンたちのホンネは、やはり複雑のようだ。