新たな出玉機能が搭載されることで、パチスロはどう変わるか──。警察庁は8月23日、パチスロ機に関する「技術上の規格解釈基準」を改正。これにより、パチスロ機における新たな出玉機能「ボーナストリガー」の搭載が可能となった。
現在のパチスロ機においては、複雑な遊技性の「AT(アシストタイム)機」と、ボーナスだけで出玉を増やす「ノーマルタイプ」が2大勢力となっている。「ボーナストリガー」は、ノーマルタイプにのみ搭載可能な新機能だ。
ノーマルタイプではつねに一定の確率でボーナスが抽選されており、ボーナス確率は変動したり、意図的に複数のボーナスが連続したりなどの機能は許されていない。しかし、ボーナストリガーでは、ボーナス終了後に事実上の“ボーナス高確率状態”に移行することが可能となるのだ。
遊技枚数を変更することでボーナス確率が変わる
ボーナストリガーの正式名称は「規定数固定機能」で、「規定数」とはパチスロにおける遊技枚数のこと。通常のパチスロでは1枚から3枚のメダルを投入して1ゲームを回し、この1ゲームあたりの投入枚数が「規定数」ということになる。
またボーナストリガーによって、ボーナス終了後に通常遊技の遊技枚数を変更して固定することができる。遊技枚数によってボーナス当選確率が異なるため、通常時とボーナス後とで異なる遊技性が実現できるのだ。なお、ボーナストリガー搭載機にはATやRT(リプレイタイム)などの機能を搭載することはできない。
たとえば、3枚掛け時のビッグボーナスの当選確率が1/300で、2枚掛け時が1/30だとする。ビッグボーナスを引くことでボーナストリガーが発動し、2枚掛けに固定される仕様であれば、ビッグボーナスを引いたあと、事実上の“ビッグボーナス高確率状態”に移行し、続けざまにボーナスを引くことができるというわけだ。
パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。
「基本的に多くの機種は3枚掛け専用となっていますが、一部の機種では2枚掛け、1枚掛けも可能です。ただ、現行の機種では2枚掛け、1枚掛けだとボーナス確率が低く設定されているので、3枚掛けで打たないと損をしてしまうんです。
ボーナストリガーでは、2枚掛け、1枚掛けのボーナス確率を高くすることが可能となり、ボーナス後の遊技枚数を固定させることで、異なるボーナス確率の状態を作り出しているということです。結果的にボーナスの連チャンが可能となるので、これまでのノーマルタイプよりもまとまった出玉を獲得しやすくなります」