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【ハム大手4社が回答】ハム・ソーセージなど加工肉に指摘される「発がん性リスク」と「亜硝酸ナトリウムの添加」に対する見解

ハム大手4社の見解は(写真:イメージマート)

ハム大手4社の見解は(写真:イメージマート)

 ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉については、WHO(世界保健機関)傘下の国際がん研究機関(IARC)が「発がん性」のリスクに警鐘を鳴らしている。IARCは人における発がん性リスクを4段階に分類しており、市販の加工肉に含まれていることが多い添加物「亜硝酸ナトリウム」は、〈ヒトに対しておそらく発がん性がある〉と定義される「グループ2A」に分類されている。

 本誌・週刊ポストではハム大手4社の商品から亜硝酸ナトリウムを含むものを抽出し、123商品の実名リストを作成した。大手4社にあらためて見解を聞いた──。【前後編の後編。前編から読む

 IARCの発がん性分類については、内閣府食品安全委員会が、「ハザードの強さや摂取量による影響が考慮されておらず、したがって人の健康に対する影響の大きさを推し量れるものではありません」と見解を出した。食品の健康リスクに詳しいボストン在住の大西睦子医師(内科)が語る。

「IARCの分類は、発がん性を示す証拠の強さに基づいた評価であって、リスクの高さによるものではないとする見解ですが、だからといって健康への影響を考えなくていいわけではない。がん予防の啓蒙に励む世界がん研究基金は加工肉について『ほとんど食べない、あるいはまったく食べない』、アメリカ心臓協会が『まったく食べないか週2回以下に減らす』よう推奨しています」

 本誌・週刊ポストは大手4社に対し、加工肉に指摘されている発がん性リスクや、亜硝酸ナトリウムの添加に対する見解を問うた。

 まずは加工肉の発がん性分類に関して、大手4社は概ね、国立がん研究センターや内閣府食品安全委員会の見解を引いて回答した。

 IARCの報告を受けて国立がん研究センターが発表した声明(2015年10月)では、「国民健康・栄養調査」(2013年)の数字から、日本人の平均的な加工肉の摂取量は1日あたり13グラムで、世界的にみても少ないとした。

 内閣府食品安全委員会も、日本人の加工肉の摂取量の少なさを指摘したうえで、「どのような食品も、健康への影響は量次第です」と記し、バランスの良い食生活を送ることを推奨した。前出・大西医師が語る。

「13グラムという数字はあくまで平均です。繰り返しになりますが、食生活次第で50グラムは十分摂取する機会のある量。加工肉の健康リスクについては十分に知っておくべきです」

次のページ:WHOのIARCの評価についての見解
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