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ドン・キホーテ 創業者の安田隆夫会長(75)が「22歳長男」を取締役に指名した背景と知られざる人物像

創業者の安田隆夫会長が長男・裕作氏を取締役に抜擢した狙いは(時事通信フォト)

創業者の安田隆夫会長が長男・裕作氏を取締役に抜擢した狙いは(時事通信フォト)

 大物経営者の決断に、賛否が飛び交っている。8月16日、「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の決算説明会で注目の人事が発表された。創業者の安田隆夫会長(75)の長男・裕作氏(22)が取締役(非常勤)に推挙されたのだ。

 9月の株主総会を経て、正式に承認される。裕作氏はドン・キホーテ渋谷店でのアルバイト経験などはあるものの、今年1月に入社したばかりの“新入社員”。決算説明会で安田会長は「将来的には創業家当主の地位を譲る」とも明かした。

 吉田直樹社長(61)は「10代、20代の50%を顧客にするため」の若返り人事だと語ったが、連結売上高が2兆円を突破した大企業でいきなりの“大出世”にネット上では〈単なる世襲や〉など厳しい声も見られた。経済ジャーナリストの河野圭祐氏が語る。

「創業家の後継者は2~3年は外の会社で修業させることが多いので珍しいとは思います。ですが、安田会長にはトップ人事で苦い記憶がある。2020年に大原孝治前社長(61)が知人に不正な株取引を持ちかけたとして金融商品取引法違反で逮捕された。安田会長は自分が健在なうちに、信頼できる身内を側に置きたい思いがあるのではないか」

安田隆夫会長の長男・裕作氏(本人のインスタグラムより)

安田隆夫会長の長男・裕作氏(本人のインスタグラムより)

 長男・裕作氏とはどんな人物か。キャリアが浅いため謎が多いが、『経済界』編集局長の関慎夫氏は、裕作氏と会ったばかりの人物から話を聞いたという。

「6月に同社の売り上げ2兆円達成パーティがあったそうで、その場で裕作さんと話したという知人が『どっしりとした体躯で、高校までラグビーをやっていたといい、押し出しはなかなか立派だった』と話していました。若いですが、1月の入社後には海外の店舗での勤務も経験したという。『話し方も落ち着いていて貫禄もある』との印象を聞きました」

 若きサラブレッドは父が築き上げた“激安の殿堂”を守り続けられるか。

※週刊ポスト2024年9月20・27日号

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