中国アフリカ協力フォーラム北京サミットが、9月4~6日の日程で開かれた。このフォーラムは2000年に第1回が北京で行われて以来、3年に一度、持ち回りで開催されており、今回アフリカ側からは53か国の国家元首、政府首脳、代表団団長、アフリカ連合主席などが出席した。
協力の中身として、政治・統治面での交流、関税免除などの貿易促進、産業園区建設などのインダストリアルチェーン形成、通信インフラ設備建設などの通信ネットワーク建設、経済発展支援、医療支援、農業・生活水準向上などに関する支援、人材・文化交流、環境関連の支援、軍事面など国家安全に関する支援などが示された。これら“十大パートナーアクション”を実施することで、中国政府は今後3年間に2100億元(4兆2000億円、1元=20円で換算)の貸出、800億元(1兆6000億円)の各種支援、700億元(1兆4000億円)の中国企業によるアフリカ企業への投資促進のための支援(いずれも人民元で実施)を計画している。
過去の実績について、中国のマスコミ(澎湃新聞、9月5日付)報道を整理すると、2006年から2021年までの期間、1910億ドル(27兆3130億円、1ドル=143円で換算)の貸出枠が設定され、この内、1550億ドル(22兆1650億円)が2021年10月までに実施された。
2021年のセネガル・ダガールで開かれた大臣クラスサミットでは、3年間に3000億ドル(42兆9000億円)の対中輸出を達成させるといった目標が設定された。中国側は100億ドル(1兆4300億円)に及ぶ貿易促進のための融資、対中農産物輸出に関する手続きの簡素化、オンラインショッピングの促進、33か国98%の農産物に対する関税免除待遇を与えるなどの政策を実施している。セネガルサミット後の2021年12月から2024年7月までの間のアフリカから中国への輸出総額は3059億ドル(43兆7437億円)に達しており、期限到来を待たずに目標を達成している。
安価な製品を大量供給できる中国にとって有望な市場
中国がこの協力フォーラムを始めて以来、米国、フランス、イギリス、ドイツ、インド、日本、韓国などもアフリカとの間で、同様の趣旨の定期的な会議を開いている。たとえば、2022年に開催されたワシントンサミットでは今後3年間で少なくとも550億ドルの投資を行う計画を発表しており、アフリカでの開発利権を巡っても米中は競いあっている。