「たとえば通常200円以上するカレールウを100円で特売する場合“カレーの具”になる玉ねぎやじゃがいも、ニンジンなどを高めの価格に設定する。こうしてスーパーはトータルで利益を生み出す」(同前)
「三白」と同様に、特売品になることが多いのが「豆腐」だ。特売のときなど、いつも買っている豆腐の横に“1丁20円”といった激安の豆腐があれば手に取りたくなるだろう。もちろん赤字覚悟で売り出すお買い得な品物もあるが、あまりに安すぎる商品には注意が必要だ。食生活ジャーナリストの山本謙治氏が警鐘を鳴らす。
「豆腐のなかには、にがりではなく、化学的に精製された『凝固剤』を添加することで、使う大豆の量を半分以下に減らしているものもある。当然、味わいも変わってきます」
このように“ドーピング”で低コスト化を図っている商品は少なくない。食品表示アドバイザーの垣田達哉氏がいう。
「安価なハム、ソーセージには『インジェクション』(注射)という製造プロセスがある。少量の豚肉でもしっとりとした柔らかさを出すため、粘り気を出す『増粘多糖類』や、増量材ともなる『各種たんぱく質』、結着剤である『リン酸塩』を注入するのです。これによって、ジューシーで、使用する肉の割に多いハムやソーセージが作れる」