また、韓国の男性アイドルグループを応援している女性・Bさん(25歳・会社員)も、コンサート会場で執拗な声かけ行為やセクハラ行為をされた経験がある。
「女友達と一緒に、ある男性アイドルのコンサートに行った時の話です。会場から出たときに、私たちを勝手に撮影してきた男性3人組がいたので、にらみつけて『盗撮はやめてください』と言ったところ、『君たちがアイドルみたいだから写真を撮っただけ』と言われました。『同じファン同士、連絡先を交換してよ』とか、『インスタやってる? SNSのアカウント教えて』などと、何度も話しかけられました。
嫌だと断ったにもかかわらず取り囲まれ、『せっかく今日同じ場所で出会ったんだから、また別のライブでも一緒に行こうよ』などと、しつこくて。こちらは女性だけで楽しみに行っているのに、コンサートの後にそんな嫌な絡まれ方をすると思い出が台無しになります。
男性側からすると友達を増やそうとか、ナンパをしているという軽い気持ちかもしれませんが、いきなり知らない男性に話しかけられるのは嫌な気持ちがしますし、ましてや取り囲まれるのは恐怖しか感じません。運営に通報しようか迷いましたが、客のトラブルで迷惑をかけたくないので、我慢したんです」(Bさん)
「悪質な男ファンのせいで肩身が狭い思い」
悪質なナンパ行為をする男性ファンがいる一方で、当然ながら大多数の男性ファンはアーティストを真剣に応援し、パフォーマンスを楽しんでいる。そんな純粋な男性ファンのなかには、悪質な男性客に対して不満の声をあげる人も少なくない。
韓国の男性アイドルグループを応援している男性・Cさん(27歳・会社員)は、次のように悩みを吐露する。
「僕は純粋に楽曲とメンバーのことが好きで、ファンクラブにも入り熱心に現場に通っています。男友達と一緒に行くこともあれば、彼女と2人で一緒に行くこともあります。ファンクラブに入っている側からすると分かるのですが、ファンクラブ会員にならず、外部のチケットサイトからチケットを買って参戦している新規の男性客が一定数います。
有名な曲しか知らず、それ以外の曲のときには雑談をしたり、メンバーの容姿について性的なコメントをしたり、大きな声で笑ったりするような客を近くで目にしたことも、何度もありますよ。そういった人たちが悪目立ちすることで、純粋にアーティストを応援したい男性ファンが思わぬ迷惑を被っています。
例えば、コンサートチケットの取引やライブ会場の外でのグッズの交換、トレカの交換の際に『男性のファンの人は取引NG』と注意書きをしている人もいる。男性ファンはすべて出会い目的だと思われたら、悔しいですよ。彼女と一緒にライブに参戦していると、そのような視線をあまり感じなくて済むのですが、やはり男同士で参戦するときは、周りの人の迷惑にならないように、いつも以上に注意するようにしています」(Cさん)
アイドルのコンサート会場で、女性客を狙った悪質なナンパが横行しているというのは、多くの来場者からも聞こえてくる話だ。誰もが安心してコンサートを楽しめる空間づくりが必要だろう。