繁忙期のリゾート地や観光地に一定期間住み込んで働く「リゾートバイト」。これまでは若者を対象とした求人が多かったが、近年40~60代のミドル・シニア世代でも採用されるケースが増えてきたという。「働き方改革」が徐々に定着し、仕事に対する考え方が多様化する中で、シニアのリゾートバイトにはどんなメリット・デメリットがあるのか。最新事情を探った。
高級旅館などではシニア世代が重宝
「コロナ禍以降、リゾートバイト事情が変わってきました」と、人材派遣会社グッドマンサービス・第一リゾート営業部長の鈴木将人さん。
「60代以上で就活をしている人をはじめ、早期退職をしたり、コロナ禍で職を失ったりした40~50代の希望者が増えています」(鈴木さん・以下同)
リゾートバイトはほとんどが住み込み・まかない付きで、住居費や光熱費、食費がほぼかからない。退職や失職によって乱れた生活を立て直しながら働けるため、次の仕事を探すまでの働き方としても最適なのだという。
「リゾートバイトの求人内容の65%以上が40代以上歓迎の職種です。特に高級旅館やラグジュアリーホテルでは落ち着いた接客が求められるため、ミドル・シニア世代が重宝されています」
とはいえ、ホテル・旅館業務がまったくの未経験であれば、やはり若年層が採用されやすいのは確か。50代以上では妥協も必要だ。
「客室清掃と調理に関しては、年齢や経験はあまり関係ありません。ただし接客業務は経験者が有利。希望しているのに採用されない場合は、洗い場・調理補助、客室清掃などの裏方業務を数か月経験してみるのも手。次の採用時はホテル業務経験者とみなされ、希望の職種に就ける可能性が高まります」