全国的な「米不足」が話題となり、スーパーでは精米の在庫が足りない状況が続く。猛暑によって2023年に生産された米の品質が落ちたことや、インバウンド消費の増加、さらには災害に備えた買いだめが影響していると言われている。そうしたなか、改めて注目されているのがインスタントのパックごはんだが、こちらは各メーカーが相次いで値上げを発表している。
サトウ食品は『サトウのごはん』シリーズ全64商品について、12月2日出荷分より約11~14%値上げする。東洋水産も『マルちゃん あったかごはん』シリーズについて、11月1日出荷分から約13%~14%値上げ、JA全農ラドファは『農協ごはん』など7商品について11月1日出荷分より、約10~13%の値上げを行なう。
たとえば『サトウのごはん』の主力商品である『新潟県産コシヒカリ(200g)』は、税別希望小売価格で189円から211円に値上げ。『マルちゃん あったかごはん(200g)』は、同191円から217円に値上げされる。いずれも税込で換算すると210円程度から238円程度に値上げすることになる。
そもそもメーカー品は“贅沢品”?
スーパーや量販店では割引して販売されることも多いパックごはんだが、1食あたり20円以上の値上げとなれば、インパクトは少なくない。ただし一方で、「そもそも『サトウのごはん』や『あったかごはん』は高級品だったはず」といった声も聞こえてくる。
都内に住む会社員の男性Aさん(30代独身)は、自宅での食事で米を炊くことはほとんどなく、インスタントのパックごはんを活用する。しかし、『サトウのごはん』や『あったかごはん』を買うことはほとんどない。
「私が購入するパックごはんは、スーパーのプライベートブランド(PB)のもの。基本的にPBであれば1食あたり150円もしないし、なかには180gで100円を切る商品もあります。『サトウのごはん』のようなメーカー品はセールになってもPBと同じくらいか、ちょっと高いくらいの価格なので、僕にとっては贅沢品扱いです」