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修学旅行で「メイク禁止・スマホ禁止」に納得がいかない生徒たち 「一律NGにせざるを得ない」学校側の譲れない事情とは

 修学旅行という非日常的な空間では、いつも以上に写真撮影も重要なポイント。Sさんは、「写真を撮るときにかわいい自分を残したい。制服のときはギリ仕方ないとしても、私服のときはメイクもセットでファッションの一部なのに」とボヤく。

 写真撮影の際、スマホが使えればまだいい。スマホそのものの携帯を校則で禁止する学校も多い。Rさん(女子)が通う関西の高校では、写真撮影をしたい向きには「デジカメ」なら使用OKとなっている。Rさんは「デジカメって何……?」と困惑気味だ。

「修学旅行先はディズニーランドですが、スマホがNGってディズニーに行く意味ある?って感じです。チェキやインスタントカメラ、デジカメなら使ってもいいと言われたけど、そんなの家にないし、修学旅行のために買うのもばかばかしいです」(Rさん)

 スマホに替わるカメラの調達にあたっては、親たちが奔走する羽目になるという。「『写ルンです』を持たせたが、現像代が高くてびっくりした」「デジカメはもう持っていなくて、友人たちにも呼びかけて探しまわった」「使い方を教えなくちゃいけない」など、親まで巻き込んだ一大事となるケースも多発しているようだ。

様々な規制をせざるを得ない学校側の事情

 なぜ修学旅行においてメイク用品やスマホが禁止なのか、都内の高校に勤める現役教師・Oさん(30代男性)に聞いた。まずメイク関係について。

「ドライヤーが禁止なのは、宿泊先のブレイカーが落ちたりしないよう配慮するためです。メイクについては意識の個人差が大きく、お金をかける子がいる一方でそうでない子もいます。いろんな考え方の学校があると思いますが、うちでは無駄な競争意識を生まないため、という理由で一律禁止にしています。

 またコスメ系は小物が多く、人によっては何種類も持ち歩きます。その中の一つがなくなったりすると、私たちでは責任が持てません。それに数百名の生徒がいる中で、化粧品の忘れ物や落とし物が発生すると、持ち主を探す手間もかかってしまう。ギリギリのスケジュールで動かなくてはならない修学旅行において、そうした“余計”な手間が増えるリスクを減らそうとすると、どうしても一律NGになってしまう」

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