学生生活の一大イベントといえば、修学旅行。11月8日付の朝日新聞によれば、コロナ禍にも関わらず、公立小中高校のおよそ66%は修学旅行を実施する予定だという。修学旅行には「見聞を広める」「自然や文化に親しむ」「団体行動や公衆道徳を学ぶ」といった意義があるが、友達と一生語れるような思い出を作るのも大切なこと。世の大人たちはどれだけ修学旅行について覚えているのか? エピソードを聞いてみた。
行く前から騒動は始まっている。兵庫県在住のIさん(40代女性/主婦)は、旅行よりも、行く前のことの方が印象的だという。
「旅行の前に死ぬほどやらされた“新幹線に乗る練習”が強く印象に残っています。新幹線の停車時間が短く、400人近くの生徒が2~3のドアから乗ると間に合わないので、分散して乗車する必要があり、その練習を延々とさせられました。体育館にガムテープを貼って“仮想ホーム”を作り、教師がストップウォッチを持ってタイムを計測。時間内に乗れないと『アナタは乗り遅れたから置いてきぼり!』などと叱責されるのです」(Iさん)
それでもIさんは行けただけマシだ。Hさん(40代男性/自営業)は、さる事情により修学旅行に行っていない。
「私は高校時代サッカー部で、全国大会出場を目指していました。ただ、修学旅行は10月で、予選の真っ最中。監督に呼ばれて、修学旅行に行くのかどうかを尋ねられ、泣く泣く『行きません』と、答えました。ただ、サッカー部員の中には、修学旅行に行った者もいました。
ところが、修学旅行直後の試合で私は使ってもらえず、修学旅行に行った同級生が試合で使われたのです。チームは全国大会には出られましたが、私はずっとベンチだったので、今でも『修学旅行に行けばよかった』と、悔いが残っています」
初日から最終日まで、アクシデントはいつでも起きる
出発日から大騒動だったのはNさん(30代男性/教師)だ。
「私は都内の学校に通っていて、自宅は埼玉県。集合場所は成田空港でしたが、始発に乗っても集合時間に間に合わないので、前日から成田のホテルに泊まりました。ホテルに1人で泊まるのは人生初でした。それで、有料放送を見ていて夜ふかしをしてしまい、思い切り寝坊してしまいました……。
結局、集合時間がかなり早めに設定されていたため、飛行機には間に合ったのですが、親にも教師にも寝坊の理由を問い詰められ、いまだに同級生、教師、同級生の親などに会うと、必ず遅刻の話をされます」(Nさん)