藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【初めての米国債の選び方】「ストリップス債」と「利付債」で購入時の価格が異なる仕組み どちらも満期まで保有すれば額面上の損失はないが為替リスクに注意

米国債(既発債)のチェックポイント

 米国債は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券など主要なネット証券で買うことができます。

 各証券会社の既発債券一覧から、米国債券を選びますが、その際のチェックポイントは下記になります。

【1】ストリップス債か利付債か

 米国債には、最初から利息分を割り引いた金額で販売され、満期になると額面の金額が受け取れる「ストリップス債」と、保有している間に定期的に利息が入ってくる「利付債」があります。

 たとえば、額面価格100円で、利息は年間10円、3年満期の債券としたら、3年間で受け取る利息は30円になります。ストリップス債は、最初からその30円を引いて70円で販売し、満期になれば100円受け取ります。利付債は、100円で購入し、毎年10円ずつ受け取り、満期に100円戻ってきます。どちらも利益は30円ですので、同じです。定期的に利息を受け取りたいか、まとめて受け取りたいか、お好みですが、個人的には、元手の資金が少なくてすむストリップス債をおすすめします。

【2】利率と利回り

 利付債には、利率が記載されていますが、この数字は、自分にとっての利回りとは違います。既発債の場合は、額面価格(発行価格)で購入するわけではなく、そのときの時価になりますので、購入価格によって利回りは変わってきます。

 たいていの証券会社では、買い付け単価が記載されています。これは「新規発行時の額面価格の何%」で表示されていることが一般的で、100%以下の場合は、額面価格より安く買い付けるので、利率より利回りが高くなります。

【3】残存期間

 残存期間は、1年以内から20年以上とさまざまです。償還日を待たずに売却することもできますが、基本的には、満期まで持つつもりで残存期間を選ぶといいでしょう。

米国債のリスク

 債券は、満期まで保有すれば、額面上は損をすることがない商品ですが、米国債を含め、外国債券には為替リスクがあります。購入した時より円高になって償還時を迎えれば、利息の儲けより、為替差損のほうが大きくなる可能性もあります。

 売却時にドルで受け取って、両替のタイミングを自分でコントロールすることもできます。また、そのドルを使って、別の債券を買うこともできます。上手に為替リスクと付き合いましょう。

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