1970年に始まった、米の過剰生産を抑える「減反政策」が2018年に廃止され、国による米の生産、価格統制の縛りは解けた。だが農家の経営環境は依然として厳しい。
米農家の廃業、高齢化も進み、この10年で作付面積は2割も減少したという。この先、再び「米騒動」が起こる可能性はあるのか。
「気候による収穫量減のリスクは常にありますが、2024年産米は十分な収穫量が見込まれており、2年連続で米不足が起こる可能性は低いでしょう。しかし長期的に見れば、米農家や作付面積のさらなる減少は避けられない。美味しい国産米の作り手が消えれば、将来的には食肉同様、安価で手に入りやすい外国産米を選ばざるを得なくなるかもしれません。若い担い手を増やすためには、米農家がきちんと稼げる仕組みを作り、農地集約を加速させるなど、抜本的な対策が急務です」(常本氏)
米のありがたさを噛みしめる日々は、まだ続きそうだ。
※週刊ポスト2024年10月4日号