また、意外と知らないのが、消耗品の負担だ。不動産サポートオフィス代表の秋津智幸さんが説明する。
「水道のパッキンやエアコンのフィルター、電球など劣化していく消耗品は、入居者負担となることが多い。ちなみに蛍光灯の電球の部分を取り換えても電気がつかないなら、本体の故障なので本体の修理は大家負担です。また、最近はたばこを吸う人も少ないので、ヤニで壁が茶色くなってクロスを全面取り換えする費用は、入居者さんの負担となるようです。クロスの全面取り換えはワンルームでも20万円以上かかります」
実際に、敷金をめぐって争いが起きた場合は、どうすればいいのか。
「かつては、原状回復費用は入居者負担で、敷金は全額もらうのが当たり前と考える大家もいましたが、今は前述のガイドラインがあります。通常であれば原則、全額が返ってくるはずですが、戻ってこない場合は『条例や国土交通省のガイドラインはご存じですか。それに沿っておっしゃっているんですか』と伝えてください。直接交渉しづらいのであれば、国民生活センター、もしくは、各都道府県に不動産の相談コーナーが設けられているので、相談するのもいいと思います」(長谷川さん)
無駄な費用を抑え、新しいスタートを切ろう。
※女性セブン2017年3月2日号