快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた

【箱からバイクに変形!?】おもちゃメーカー出身者が考案した唯一無二の電動バイク「タタメルバイク」のインパクト

ICOMA・タタメルバイク。リア部分には6.5インチタイヤと赤いモノサスペンションを搭載。走行感は悪くない。側面パネル(サイズH350mm×W570mm)のデザインも自由。電子表示媒体としても活用できそうだ

ICOMA・タタメルバイク。リア部分には6.5インチタイヤと赤いモノサスペンションを搭載。走行感は悪くない。側面パネル(サイズH350mm×W570mm)のデザインも自由。電子表示媒体としても活用できそうだ

 爽やかな風の中を気軽にバイクに跨がって出掛ける“お散歩ツーリング”が楽しめる季節になってきた。今回、注目するのは異色の折りたたみ電動バイク「タタメルバイク」。スタートアップ企業が手がけ、バイク好きの世界で話題を呼んでいる。シリーズ「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」。今回は、自動車ライターの佐藤篤司氏が「タタメルバイク」を実車してレポートする。

 * * *
 日本のスタートアップ企業「ICOMA」が“おもちゃのこころで発想して生み出した”という折りたたみ式の電動バイクが「タタメルバイク」です。おもちゃメーカー出身者が考えたこの電動バイクの特徴は、バイク自体をコンパクトに折りたたむことができ、収納や持ち運びが容易であることと同時に、排ガスを走行中に出さない、電動であること。開発には、「初代モデルから数えて設計やり直すこと6世代目、スムーズに変形できるようこだわり、仕上がりました」という。小さな企業として開発に苦労したことは容易に想像できます。それでも商品化にこぎ着け、唯一無二の存在としてバイクの世界で話題を呼んでいます。

 実は過去にもホンダの「モトコンポ」という原付バイクがありました。1980年代前半、当時、若者を中心に大人気だったコンパクトカー、ホンダ・シティに搭載できるバイクとして発売されました。各パーツを折りたたんだ際のサイズは高さ54cm、幅24cm、長さ118.5cmと非常に小さく、総重量は42kgの軽量設計でした。もちろんホンダ・シティ以外に積み込んでもよく、話題になりました。ちなみにタタメルバイクを開発した同社の生駒社長は、このホンダ・モトコンポのオーナー文化をリスペクトしているそうです。

 さらに最近でもホンダは2023年9月に「折りたたんで持ち運びできる電動バイク」という「モトコンパクト」を北米市場向けモデルとして発表しています。その価格は当時で995ドルですから、100万円をゆうに超える“高級車”。日本への導入はまだアナウンスされていません。

 そんな状況の中で「箱からバイクになったら面白いんじゃないか?」という発想からスタートしたタタメルバイク。折りたたむとキャリーバッグのようなサイズになり、サイズで比較すると、バイクの状態では「全長1,230mm、全幅650mm、全高1,000mm」ですが、折りたたむと「全長690mm、全幅260mm、全高690mm」といった具合に四角く、コンパクトになります。

次のページ:一人で持ち上げるには少し重いが、走行時の安定感につながっている
関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。