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【総選挙のカギ】元首相補佐官が解説、自民党と公明党の「選挙協力体制」はいかにして出来上がったのか

選挙協力体制の出発点は1999年

 自公関係は「連立政権」という言葉で説明される。しかし、これでは完全には説明しきれない。2009年からの3年余の野党時代があるからだ。下野直後、公明党は関係の見直しを模索したが、翌年の参院選では地域ごとの協力は維持され、非改選も含めて民主党政権を参院過半数割れに追い込んだ。2012年衆院選では協力体制を一定程度、復活させ圧勝、政権に復帰した。野党時代も続いたのが国政選挙、特に衆院選での協力である。

 中央大学教授の中北浩爾氏は『自公政権とは何か 「連立」にみる強さの正体』(ちくま新書)で、選挙と連合政権形成の関係について、ソナ・ゴールダーの「選挙前連合」形成に関する研究を紹介している。具体的には「選挙運動で連携したり、統一候補の擁立(選挙区)や統一名簿の作成(比例代表)を行ったり、選挙後に一緒に政権入りすることを公然と合意したりするような政党間の連合」とされる。

 野党時代を含めて自公はこの選挙前連合を繰り返してきた。勝利した場合は連立政権を維持し、敗北した際は、途切れたものの国会対策や選挙での協力を再構築した。この選挙
前連合に基づいて連携し続けた関係は、「政党ブロック」と位置付けることができる。

 自民党一党優位を特徴とする55年体制が、非自民の細川連立政権の誕生によって崩壊した後、日本政治は政権の枠組み変更を繰り返したが、1999年に自自公連立政権が発足した。

 選挙協力については1999年10月、自民党総裁で首相の小渕恵三、自由党党首の小沢一郎、公明党代表の神崎武法の3氏によって交わされた連立政権合意書の3項目目で「次期総選挙においては、小選挙区の候補者調整を行う」と触れられている。

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