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【株・為替・不動産・仮想通貨はどうなる?】基軸通貨ドルが支える現行金融システムが崩壊した「グレートリセット後の世界」での資産戦略の前提

ドラスティックシナリオの場合

 気になるのは「ドラスティックシナリオ」の場合です。

 例えば、新ドルが機能すると認識された時、あるいは機能し始めた時、米ドルの信用が失墜し、米国債金利が急騰してデフォルト。日本国債が買われず価格低下で歯止めの利かない金利上昇。国債消化できず財政破綻など、様々なケースが考えられます。

 しかしいずれにしても、世界の金融システムは「一蓮托生」です。日米欧のどこかがデフォルトとなれば世界中で連鎖的デフォルトが起きるといった可能性も十分あり得ます。

 金融システムはシャットダウンし、株もゴールドも不動産も資産市場全般が資金繰りのため同時に急落するとか、そもそも取引ができないといったことも想定できます。2024年6月4日には米バークシャー・ハサウェイの株価がゼロとなるシステムトラブルが起きましたが、あれも何らかの兆候なのかもしれません。

 とはいえ、これはあくまで金融システムの破綻であるため、ゴールドや不動産、その他商品といったペーパーアセット以外のハードアセットに多くが逃げ込むといったことが起きる可能性が高いでしょう。前述したようにビットコインやイーサリアムといった代表的な仮想通貨は、格好の逃避先として好まれるはずです。

 この時、各国政府の莫大な負債がチャラとなり、言い換えれば各国の国債価格はゼロとなり、といった大混乱の中、破綻後の処理というか、リセットが一通り終わると、金融システムは再び機能し始めるはずです。この時に「新金融システム」へと移行するシナリオです。

 このケースでは、従来型の金融システム、つまり「まず政府が借金をすることで市場にお金を流す」といった一連のプロセスを通じるのではなく、例えば「金本位制に戻る」「金銀をはじめ、複数の実物本位制となる」「各国GDPなど経済力に応じた通貨発行量が定められる」「IMF(国際通貨基金)のSDR(通貨の特別引き出し権)の割り当てに応じてその範囲の中で通貨発行が行われる」など様々なケースが想定できます。それぞれ特徴は異なるものの、結局のところ、経済活動は続きます。

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