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【株・為替・不動産・仮想通貨はどうなる?】基軸通貨ドルが支える現行金融システムが崩壊した「グレートリセット後の世界」での資産戦略の前提

現状のドル覇権体制が崩壊したら、資産戦略をどう考えればよいか

現状のドル覇権体制が崩壊したら、資産戦略をどう考えればよいか

 これから訪れるであろう社会の大変革や金融リセットなどを総称して、不動産コンサルタントの長嶋修氏は「グレートリセット」と名付けているが、来るグレートリセット後の不透明で不確実な社会に、私たちはどう対応し、生きていけばよいのか──。長嶋氏の新刊『グレートリセット後の世界をどう生きるか』(小学館新書)から、ドルの覇権体制などの現行金融システムが何らかの終焉を迎えた場合の、資産戦略の前提の変化について考察する。

マイルドシナリオの場合

 さて、歴史的な大転換の中にあって、私たちの資産や財産をどのようにして守り、あるいは増やせばいいのでしょうか。

「国家財政破綻でお金が紙切れになるのではないか」とか「株や不動産などの価値はどうなるのか」などなど不安や悩みは尽きないと思います。が、簡潔に結論を言えば、そんなに心配する必要はないと思いますし、何も難しい話ではありません。具体的にどうなりそうか、考察してみましょう。

 まず考えたいのは、現行金融システムが入れ替わる際に、「マイルドシナリオ」になるのか「ドラスティックシナリオ」になるのか、という点です。

 マイルドシナリオの場合は例えば、基軸通貨ドルが一瞬にして価値を大きく損なうというわけではなく、旧ドルから新ドルへと徐々に移行が行われ、ドル基軸体制から覇権通貨のない多極型通貨体制へと、数年かけて緩やかなチェンジが進行するといったケースです。

 このような状況において、通貨の中で最後まで粘り強く価値を保ち続けられるのは、日本円、次にスイスフランだと思います。とはいえ円もスイスフランもドルもユーロも「既存通貨」の範疇であることに変わりはありません。

 リーマン・ショック以降、さらには2020年コロナ禍以降、天文学的な通貨発行を続けてきた中で、インフレが生じ、モノの価値が上がると同時に、相対的にマネーの価値が下がってきましたが、それ以上の速度で、各国通貨の価値は下落しそうです。

 マネーの価値に揺らぎが生じれば不動産、ゴールドや銀といった商品、絵画や高級ワイン、高級車といった実物資産の相対的な価値が上昇します。とはいえここでも三極化の構図が働いていることに変わりはありません。

 例えば、一口に不動産と言っても「15:70:15」の法則性の中で「価値維持ないしは上昇」「だらだら下落」「無価値あるいはマイナス価値」に分かれていくはずです。1990年バブル崩壊以降続いてきた三極化の構図が、さらに勢いを増して、誰の目にも明らかなコントラストをつけて極まっていくというイメージです。

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