低温調理された白いとんかつの長所と短所
最近は、低温でじっくり時間をかけて揚げる“白いとんかつ”を提供する専門店も増えている。低温調理することで豚の旨味を閉じ込めるとともに柔らかな仕上がりになるという。また低糖質なパン粉を使用し、“低カロリー”を謳う店もある。
そんな“白いとんかつ”を提供する専門店にも通いつつ、昔ながらのきつね色のとんかつも愛しているというのは、神奈川県の自営業Bさん(50代男性)だ。
「とんかつが好きで、いろいろな専門店に行っています。最近の白いとんかつを提供するお店では、豚肉の銘柄やパン粉にこだわっていたり、食べ方もソースだけでなく、複数種類の塩やわさび醤油など、いろいろなパターンが用意されていることもありますね。いろいろな味を試すのは楽しいのですが、そういうお店では、ソースについては少し物足りなく思うことがよくあります。新規店だと“創業以来、継ぎ足して作っている”といった老舗のソースのような深い味わいを生み出すのは難しいという事情もあるのかなと思います」(Bさん)
塩で食べる高級とんかつに衝撃
一口にとんかつといえど、“ソースで食べる昔ながらのきつね色のとんかつ”と、“塩やわさび醤油で食べる白いとんかつ”は、似て非なるもの。元々は完全な“ソース派”だったが、高級なブランド豚のとんかつを塩で食べたときの衝撃が忘れられないというのは、埼玉県に住む会社員のCさん(30代女性)だ。
「いつもチェーン店のとんかつ店で、1500円くらいのとんかつ定食を食べていました。ソース以外で食べたこともなかったのですが、落ち着いた高級とんかつ専門店に連れて行ってもらう機会があって、1人前4000円くらいのとんかつをいただいんです。その時塩で食べることをすすめられ、言われる通りに初めてとんかつを塩で食べたら、衝撃的なおいしさでした。
もちろん高級な豚肉だからということもあるでしょうけど、塩で食べることでお肉の甘味や旨味がしっかりと伝わってくるし、脂身も全然重く感じないように思え、まったく新しいとんかつ体験でした」(Cさん)