腹部大動脈破裂の主な原因は高血圧
高血圧と診断されたら塩分を控え適切な運動とダイエットをして血圧を下げるという患者さんがいらっしゃいます。よくない生活習慣である過食や痛飲、睡眠不足を改善することは血圧コントロールには大切です。しかし塩分に関していうと、極端にカットした食事をしても血圧が下がらない方もいらっしゃいます。どうも体質や遺伝に関係しているようで、努力の割には血圧が下がらないということもままあります。
最近中高年に増えている腹部大動脈破裂の主な原因は高血圧であり、様々な病気の予防のためにも高血圧のコントロールは欠かせません。
「高血圧の薬は飲み始めたら、ずっと飲み続けなければならないのですか」
高血圧の服薬治療をお伝えすると、多くの患者さんからこう聞かれます。その際必ずお伝えするのが、「薬が必要なくなったら、やめられます。でも、やめられるようになるまではしっかり薬を飲んでください」です。
上の血圧が180mm/Hgを一瞬でも超えた場合は、血圧をさげるために即刻薬を飲んでもらいます。しかし、血圧が140 mm/Hgを越えたという場合は、頸動脈エコー検査を実施します。検査によって血管障害が起こっていることが確認された場合は、内服治療を開始してゆっくり血圧を下げていきます。
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