2月14日、株式市場に激震が走った。東芝が米原子力事業で発生した損失によって債務超過に転落していることが発覚し、同日に予定されていた決算発表(2016年4~12月期)は延期。翌日の東芝の株価は一時、前日比13%安まで急落した。3月末での債務超過も避けられず、東証1部から2部への「格下げ」が確実視されている。この事態をフィスコの株式・為替アナリストの田代昌之氏はこう評す。
「これまでに何度も故障(損失)を隠してマウンドに上がっては大炎上を繰り返してきた投手が、また同じ失敗をやらかした。これじゃあ、“球団”としても戦力外にして放出せざるを得ないのではないか」
田代氏がここでいう“球団”とは「日経ヘイキンズ」のことを指す。本誌でも何度か取り上げてきた、「日経平均株価の動きをプロ野球チームにたとえてみる」という“修辞法”である。
もともとは日経平均が年初から5営業日連続で下落した2016年1月8日、ネット上に〈日経ヘイキンズ 開幕5連敗〉という書き込みがあったのがきっかけで広まった表現方法だ。たとえば、取引開始直後から日経平均が大きく上げれば「序盤から大量リード」などと表現し、相場の動きをわかりやすく、臨場感を持って伝えることができる。
この日経ヘイキンズの所属選手は、1部上場企業の中から選ばれた225銘柄。田代氏が「放出」という言葉を使ったことからわかるように、日経ヘイキンズには選手の入れ替えがある。毎年10月の定期入れ替えでは新加入の移籍組に注目が集まるのが恒例で、最近では楽天(2016年10月)や大塚ホールディングス(2017年1月)が加入した。