絶不調に陥りチームを去る選手もいる。2016年8月にはかつて打線の主軸だったシャープが台湾リーグに移った(鴻海精密工業が買収)。
放出と補強を並行して行ない、常に選手数を225に保つのがヘイキンズの球団規約だ。
「225人のメンバーは日本経済新聞社がフロント陣として“日本の株価指標にふさわしい代表的な銘柄”を独自に選出します。選手の入れ替えによって当然、チーム力(平均株価)は変わります。ただし、非公開の部分を含む複雑な計算式が存在するので、補強が成功してチーム力が上がるかはフタをあけてみないとわからない」(田代氏)
日経ヘイキンズには、大型補強が大失敗に終わった苦い過去もある。
「ITバブル真っ盛りだった2000年、“今の日本はハイテク株を入れなければ意味がない”ということで、一気に30銘柄ほどのハイテク株中心のメンバーを入団させた。ところがその途端にITバブルが崩壊。株価は2万円を割り込み、ヘイキンズは連敗街道を突き進んだ」(ケイ・アセット代表の平野憲一氏)
この後、ヘイキンズの戦績が2万円を回復するまでに15年を要した。
※週刊ポスト2017年3月3日号