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《中国・深セン児童刺殺事件の影響》現地日本企業に迫られる難しい舵取り 対応策を聞かれ「回答を控えたい」「社名を出さないでほしい」と答えざるを得ない理由

中国市場に進出した日本企業は岐路に立たされている(習近平主席/EPA=時事)

中国市場に進出した日本企業は岐路に立たされている(習近平主席/EPA=時事)

 中国・深センでの痛ましい児童刺殺事件の影響は日本企業の活動にも及んでおり、多くの企業が駐在員家族の引き揚げなどの対策を迫られている。折しも、右肩上がりだった中国の成長は変調をきたしており、日本企業はその対応にも動き出していた。【前後編の前編】

帰国対応に苦慮する日本企業

 深センに住む、ある日本企業の駐在員が語る。

「私より妻のほうがナーバスになっていて、『帰国希望者を支援している会社もあるのに、あなたの会社はどうなっているの?』と聞かれた。とりあえず妻と子供だけでも香港に引っ越しさせるかもしれません。香港なら、深センから高速鉄道に乗れば14分で着きますから」

 9月18日に起きた日本人学校に通う男児の刺殺事件を受け、現地で生活する日本人の間では安全確保への不安が高まっている。現地に拠点を置く日本企業も駐在員やその家族のケアに万全を期すべく奔走している。

 パナソニックグループ広報は「中国大陸の出向者とその帯同家族に対して、状況に応じた一時帰国(会社負担)、カウンセリング窓口の設置、柔軟な勤務体制など安全と健康最優先の対応を実施」と説明し、JT(日本たばこ産業)も「従業員と家族の安全を第一に考え、相談があった場合は親身になって対応を行なっております」(IR広報部)と回答した。

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