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【脱中国】ホンダ・伊勢丹・日本製鉄・モスバーガー…中国から撤退・工場閉鎖する日本企業が続々 個人消費が低迷しデフレ深刻化、不況が長引く懸念

EV競争激化の影響も

 中国は「世界最大の市場」とともに「世界の工場」の役割も担ってきたが、それも曲がり角を迎えているようだ。

 7月には日本製鉄と中国・宝山鋼鉄の合弁解消が発表された。今後、中国での鋼材生産能力を7割削減する。

「日本製鉄と中国の関係は1972年の日中国交正常化に遡ります。二国間の経済協力の柱として始まり、“日中友好の象徴”と言われた非常に深い関係です。合弁会社を設立し、自動車向けの鉄板などの製造を行なってきました。

 ですが、近年は中国の成長鈍化を受けて米国やインドなど今後さらなる成長が見込める地域へ投資する戦略の見直しをしたとされます。また中国の自動車市場で電気自動車(EV)が拡大し、製品の主な供給先となる日系自動車メーカーが競争激化で苦戦していることも影響しています」(関氏)

 今年に入り、ホンダが現地2工場の閉鎖・休止、日産自動車も一部工場を閉鎖。三菱自動車は昨年10月、中国からの撤退を表明した。自動車部品関連のワイヤハーネス(組み電線)製造を行なうフジクラも一部の工場を閉鎖すると発表している。

 自動車関連各社は変化するEV市場への対応を迫られているようだ。ホンダは工場閉鎖について、こう説明する。

「大前提として、弊社は中国から撤退するわけではありません。一部の工場を閉鎖、または中止しますが、EVシフトを取るための取り組みの一環です。生産能力の適正化を図るため、2024年中には、EV工場を2つ立ち上げる予定になっています」(広報部)

 中国でのビジネス展開が、これまでと違った局面を迎えていることはたしかだ。

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※週刊ポスト2024年10月18・25日号

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