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【脱中国】ホンダ・伊勢丹・日本製鉄・モスバーガー…中国から撤退・工場閉鎖する日本企業が続々 個人消費が低迷しデフレ深刻化、不況が長引く懸念

中国での拠点閉鎖・撤退を決めた日本企業も少なくない(時事通信フォト)

中国での拠点閉鎖・撤退を決めた日本企業も少なくない(時事通信フォト)

 中国・深センでの痛ましい児童刺殺事件の影響は日本企業の活動にも及んでおり、多くの企業が駐在員家族の引き揚げなどの対策を迫られている。折しも、右肩上がりだった中国の成長は変調をきたしており、日本企業はその対応にも動き出していた。【前後編の後編。前編から読む

成長の鈍化や個人購買力の低下

 現地での対応に日本企業が苦慮するなか、今回の事件の前から、中国でのビジネスを縮小し、“脱出”を図る企業もある。

 背景には中国経済の成長鈍化や失業率の高さ、個人購買力の低下などがあるとされる。『経済界』編集局長の関慎夫氏が言う。

「中国ビジネスを取り巻く環境は明らかにフェーズが変わりました。6月末には伊勢丹が上海の店舗を閉じて撤退しましたが、現地での消費の不振に加え、中国の消費者が日本の百貨店などよりも現地の激安ネットブランドの商品を選ぶ流れが出てきている」

 右肩上がりの成長を見せ、“世界最大のマーケット”だった中国市場はどう変化しているのか。多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏が解説する。

「今の中国経済は危機的な状況にあります。不動産バブルが崩壊し、不動産価格の下落に歯止めがかからない。8月15日、中国の国家統計局は不動産関連の経済指標を発表しました。主要70都市の新築住宅価格は、単純平均で前月比0.6%、中古住宅価格は前月比0.8%下落した。

 これまで中国は相次ぐマンション建設による建設需要などから経済成長を支える好循環を生み出してきました。だが、その手法が完全に頭打ちになり、習近平政権は大規模な景気対策を実施しているものの、その効果の持続性には疑問符をつける専門家は多い」

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