配当金だけで年間240万円の「じぶん年金」がある投資家・おけいどん氏が注目する「最新の高配当株・増配株10銘柄」

　高配当株・増配株を見極めて保有し続ける「ぐうたら投資」の実践で1.8億円の資産を築いた投資家のおけいどん（桶井道）氏。株の配当金だけで年間240万円（2024年見込み）を得ており、その収入を「じぶん年金」とすることで、2020年に早期リタイアを実現した。おけいどん氏の「ぐうたら投資」の肝となるのが、優良な高配当株・増配株の見極めだ。

「高配当株の基準は配当利回りが2.8％以上、増配株は1％以上であることが目安。ただし、連続増配株であれば現在の配当利回りにこだわらなくてもいい。長期保有することで配当利回りの上昇が期待できるからです。そうなれば、株価上昇による含み益と高配当化で2度おいしい思いができます」（おけいどん氏）

　増配株の場合、長期保有によって自己の投資額に対する配当利回りが上昇していくところがポイントになる。株価1万円の銘柄に投資して配当金が150円なら配当利回りは1.5％だが、年10％の増配が10年続けば配当金は389円になる。自分の投資額に対する配当利回りは3.89％まで増えるわけだ。その10年の間に株価も上昇していれば、その含み益と増配による高配当化の2つの恩恵を受けられるのだ。

「銘柄の選定で重視するのは、その企業の業種・分野の需要が今後伸びると見込まれること。その市場でのシェアが1位か2位であることなどです。安定的かつ持続的な成長を見込める企業でないと長期にわたる配当を望めません」（同前）

　おけいどん氏が魅力的な高配当株・増配株として挙げる世界各国の銘柄は別表の通りとなる。

「5つの分散」を意識する

　投資する際には、1銘柄に集中せず業種や国・地域などを分散させることが重要だという。特に個別銘柄は株価の急落リスクがあるため、分散投資が重要となるという。

「国・地域分散、アセット（資産）分散、セクター（業種）＆銘柄分散、時間分散、意識分散の5つの分散を心がけたい。国・地域はカントリーリスクがある国や米国と不仲の国を避け、株だけではなく現金や国債などの安全な資産も保有し、業種や銘柄を分散、一気に投資せずに年間投資額を12か月で割って毎月投資するなど時間も分散します。そして、ぐうたら投資では5つ目の『意識分散』が大切です。たとえ株式市場が暴落しても株価を見ない、気にしないこと。『ノールック投資』と言い、短期的な株価の動きに惑わされないことです」（同前）

　おけいどん氏は全世界100銘柄以上の個別銘柄およびETF（上場投資信託）を保有しているという。そこまで銘柄数を増やさなくとも、初心者は10～20銘柄への投資を目指し、徐々に25銘柄程度へ増やしていけばいいという。25銘柄を保有すると、1銘柄が暴落して半分の価値になったとしても全体へのダメージは2％で済む。しっかりとリスクを分散し、優良企業を見つけて長期投資をすることで、“不労所得”を手に入れることを目指すのだ。

「長期投資で何より大切なのは、10年後といった未来の目標を定めて投資をすることです。私は60歳または65歳時に配当金を最大化することを目標にしています。長期投資をすると年に1度程度は株価の大きな下落は避けられないものですが、そこで一喜一憂しないことが重要です」

　おけいどん氏のアドバイスを元に、高配当銘柄を見つけて「じぶん年金」を構築したい。

■前編記事：高配当株・増配株投資で資産1.8億円を築き早期リタイアした投資家・おけいどん氏「老後のお金の不安をなくす“ぐうたら投資”の極意」

【プロフィール】
桶井道（おけい・どん）：個人投資家(投資歴25年)・物書き。1973年生まれ。世界中の優良株・ETF等を約100銘柄保有し、高配当株および増配株を買ったら放置する「ぐうたら投資」を極めてから資産成長を加速させる。2020年に資産1億円とともにFIRE、2024年にはピークで資産1.9億円に到達。著書に新刊『資産1.8億円＋年間配当金（手取り）240万円を実現！おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』（PHP研究所）など、4冊。