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【もらえるお金を教育資金に活用】拡充された「児童手当」を18年間NISAで積立運用シミュレーション 年利5%で「234万円→325万円」、第3子分なら「1000万円超」に

児童手当を全額運用したらどうなる?

 児童手当を普通預金で貯め続けても大学資金の多くをカバーできるようになりますが、これからお子様が生まれる方など、10年以上長い時間もらえる方は、運用にまわす選択肢も有効です。ここでは、生まれてから高校卒業まで積立運用をした場合にどのくらいの金額まで増やせる可能性があるか、試算してみましょう。なお非課税で運用できる「NISA口座」を活用したとし、税金等は考慮しておりません。

 18年間(0歳から18歳)にわたって児童手当を全額、NISAのつみたて投資枠にて投資信託を買付した場合、18年後に資産額がどうなっているか、利回りごとにシミュレーションしてみましょう。以下の図をご覧ください。

児童手当を18年間積立運用した場合の推定資産額

児童手当を18年間積立運用した場合の推定資産額

 このように、投資資金として積み立てすることで、預貯金で置いておくよりも多くの資金を作ることができる可能性があります。もちろんあくまでシミュレーションであり、運用状況によって積み立てた総額を下回る時期もあるでしょうし、大学入学直前に大きな暴落があったりすると、想定通りにはいかない可能性もあります。ただし児童手当はもらえるお金です。「なかったもの」として、大きく育つ可能性にかけてみるのもありかと思います。

児童手当を運用にまわす場合の5つのポイント

 児童手当を運用にまわす場合のポイントは次の5つです。

【1】どのくらいリスクを受け入れられるか考えて、児童手当の何割を運用にまわすか考える(無理する必要はない)

【2】非課税で積み立てできるNISAの「つみたて投資枠」を使う

【3】全世界インデックスファンドなど、投資先の地域が分散している投資信託を買う

【4】最低10年は続ける

【5】児童手当受給終了後の出口戦略も考えておく(何割増えていたら全額売却する・運用を続けながら必要分を売却する・元本割れしていたらそのまま使わずに運用を続けるなど)

 児童手当は、子どもの教育資金を計画的に貯めるための強力なサポートとなります。2024年10月からの児童手当の改正により、すべての子育て家庭が受け取れるようになりました。もらい損ねたりしないようきちんと手続きをして、将来、お子さまの進路選択を増やすためにも上手に活用してくださいね。

(前編から読む)

【プロフィール】
鈴木さや子(すずき・さやこ)/株式会社ライフヴェーラ代表。CFP認定者、1級FP技能士、DCプランナー1級・キャリアコンサルタント(国家資格)。保険等商品を一切販売しないFPとして活動。専門は教育費・保険・マネー&キャリア教育、確定拠出年金。企業講演の他、小・中学校や自治体等の講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行う。著書に『資産形成の超正解100』(朝日新聞出版)がある。

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