緊急事態宣言の延長・拡大で外出自粛要請が続く一方、休日になると郊外のキャンプ場やバーベキュー場は多くの人で賑わっている。中には、自宅の庭など手近な場所がバーベキュー会場となるケースもようだ。屋外のイベントであるため感染リスクが低いと考える人もいるのかもしれないが、実際はバーベキューでクラスター(集団感染)が発生した事例もあり、行政も大人数での屋外飲食に注意を呼びかけている。フリーライターの吉田みく氏が、最近、ご近所バーベキューに参加したという30代主婦の話を聞いた。
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地域や期間を拡大した3度目の緊急事態宣言が発令される中、先の大型連休では対象地域の“外”へ出かける動きが目立った。首都近郊の行楽地である江ノ島(神奈川県藤沢市)や熱海(静岡県)には、県外から多くの観光客が訪れていたようだ。1年以上続く自粛生活の疲れも影響しているのかもしれない。
同様に、郊外のバーベキュー会場も連日大賑わい。筆者が試しにゴールデンウイーク期間の予約状況を確認したときは、多くの会場が「満席」だった。一方、そうした遠出をせずに、自宅周辺での余暇を楽しんだ人も多いようだ。
都内在住のパート主婦、中村志保さん(仮名・36歳)は、5月の連休中、近所の家族で集まってバーベキューを楽しんだという。中村家は夫と小学生の息子2人の4人家族である。
「事の発端は、お隣さんからのお誘いでした。『どこも出かけられないし、みんなでバーベキューでもやらない?』と誘われたんです。その時点で、同じ区画の家族が数組、参加することが決まっていました。その時は、予定が埋まってラッキーくらいに軽く思っていました」(中村さん、以下同)
集まったのは中村さん一家含め5家族で、総勢15名程度。隣家のカースペースを空けてバーベキュー会場にしたそうだ。食材などは近所のスーパーで購入したが、誘ってくれた家族がバーベキュー用品を持っていたこともあり、1家族当たり3000円程度の出費で済んだという。