現在の「物価スライド」制度では、物価が下落すれば年金額も減るが、「物価上昇、賃金減少」という状況の場合、年金額はプラスマイナスゼロに据え置かれる。
ところが、2021年度から始まる新ルールでは、物価と賃金のどちらかがマイナスになれば、年金額が引き下げられるうえ、物価と賃金がどちらもマイナスの場合はマイナス幅が大きい方に合わせて年金を減らされる。
さらに、デフレで減額できなかった分は翌年度以降に持ち越し、物価上昇時にまとめて差し引くキャリーオーバー制度も導入し、18年度から施行される。
手を変え品を変え、あらゆる理屈をつけて、団塊世代への支給を減らそうとする強い意思が感じられる。
「それだけ団塊の世代というのは人口のボリュームが大きく、年金財政からすれば大きなインパクトとなるということです。厚労省の年金部会では保険料の増額と給付の減額を進めていますが、常にその議論の“基準”となるのは団塊世代の年齢です」(前出・北村氏)
※週刊ポスト2017年3月3日号