余計な経費もかからない
内部昇格のほうがコストはかからないとは、どういうことなのか。在阪球団関係者はこう言う。
「昨年、ヘッドコーチから監督に内部昇格した巨人の阿部監督は推定年俸1億5000万円。前任の原辰徳監督の同2億円よりも安い。一方、2022年オフに就任した広島の新井貴浩監督は、当時、解説者という立場で球団から離れていて“外部からの招聘”ということになり、推定年俸8000万円で、前任者の佐々岡真司監督の同7000万円を上回ったとされます。
つまり、外部から就任する場合は手腕が評価されての招聘ですから、前任者と同等あるいは上回る額が提示される。大物監督であればさらに上乗せがある。一方の内部昇格だと、監督としては実績がないため前任者を上回るケースは少ない。しかも内部昇格の監督なら、住環境なども変わらないから余計な出費もいらない。阪神が野村克也監督を招聘した時は、推定年俸2億円に加えて宿舎としてリッツカールトン大阪のスイートルームを用意するなど経費がかかったが、内部昇格はそういうものは不要になるわけです」
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