中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「こんなに値上がりしてるの?」日々通うスーパーで実感する物価高騰 家計防衛のためには“店ごとに異なる価格”を把握してハシゴすべし

ずっと同じ粉チーズを買ってるのに、2年前の価格とは雲泥の差(筆者撮影)

ずっと同じ粉チーズを買ってるのに、2年前の価格とは雲泥の差(筆者撮影)

サンマは昨年までより安くなっている!

 野菜や豆腐や練り物、国産の魚介類・肉については、あまり変わっていない印象です。いずれも生産者と加工業者と流通業者の努力の賜物ですね。しかしながら昨今「モヤシ農家が悲鳴」なんて記事を見ることもありますし、実際、値上がりを実感しているものも少なくありません。

 たとえば、昨年末から今年初頭にかけては玉子が大幅に値上げされました。かつては特売で10個入り98円なんてものもありましたし、158~178円ぐらいで買えたものですが、鳥インフルエンザの影響もあり、ある時は10個入り328円になっていた。そこで「6個入り198円」や「8個入り248円」といった形で、とりあえず支払う金額を減らすような小売店側の施策も打たれました。

 今は玉子の価格は178~268円ほどに落ち着いていますが、またいつ値上がりするかは分からない。とにかく買い物をするにあたっては、自身が納得できる相場を把握しておくことが、家計防衛への近道です。

昨年まで高かったサンマは、今年は安くなっているのを実感(筆者撮影)

昨年まで高かったサンマは、今年は安くなっているのを実感(筆者撮影)

 とはいえ高くなっているものばかりではありません。たとえば今年の秋は、サンマが安くなっているのを実感します。ここ数年、不漁でサンマは高嶺の花に。1匹698円やら798円で、しかも身が痩せていた。2010年代中頃、よく行くスーパーではトロ箱に氷を大量に入れ、そこにサンマが山積みで各自ビニール袋に入れられる投げ売り状態でした。しかも価格は79円で丸々と太っていた! そんな時代を知っているものですから、しばらくサンマからは離れていましたが、今年はいいです。2匹399円で型もなかなか良い。

 このように物価高について述べてきましたが、最後に節約のためのアドバイス。“店のハシゴ”はした方がいいと思います。私はいつも行くスーパーで「粉チーズ:498円→658円」「タバスコ:218円→278円」と書きましたが、なんと、大手ドラッグストアでは、同じ粉チーズは399円でタバスコは199円なのです! 規模の経済がさせる業なのかは分かりませんが、「この店はコレがとにかく安い」を知っておきたい。それを踏まえて店のハシゴをして家計防衛につなげましょう。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

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