コロナ禍を経て深夜営業の店が激減し、お酒を飲まない人が居酒屋に行っても大丈夫な空気感が高まるなかで、カフェやファミリーレストランのように利用する人たちも増えているようだ。
居酒屋といえば友人や同僚と酒を飲みながら仕事や生活の愚痴に花を咲かせるイメージが根強いが、昨今はこれまでカフェやファミレスが担っていた“お茶をする”“子供連れで食事をする”“仕事をする”といった使われ方もされるようになっている。では彼ら/彼女らは、なぜカフェやファミレスではなく、居酒屋を利用するのか。利用者の実態を追った。
「煙草を吸えないカフェが増えたので」
埼玉県在住のデザイナー・Eさん(30代/男性)がカフェを利用しなくなったのは、席で喫煙ができない店が増えたためだ。Eさんは基本的に紙巻き煙草を吸う喫煙者だが、最近は加熱式の煙草も利用するようになった。「居酒屋も禁煙化が進んではいますが、それでも喫茶店に比べると、加熱式煙草なら席で吸えるという店はまだまだあるので」と、一服事情を明かす。
「もちろんカフェでも喫煙席や喫煙室を用意しているところもありますが、そういうところほど満席だったりする。何年か前までは仕事終わりのちょっとした時間にカフェで時間をつぶすこともありましたが、煙草が吸えない店が増えたため、加熱式たばこだとしても席で煙草の吸える居酒屋に行くことが多くなりました。
友人と出かけているときも、その中に一人でも喫煙者がいるなら、最初から居酒屋が候補に挙がります。遊んだ後は一旦カフェで小休憩、そこから居酒屋という流れが定番でしたが、よく考えたら別にカフェでも居酒屋でも、世間話をするだけなので、だったら最初から居酒屋でいいやって」(Eさん)