深夜営業がありがたい
大学生のOさん(20代男性)は、これまで友人らと集まる時はカフェやファミレスに行っていたが、居酒屋に直行することが増えたという。
「友人たちと集まってダラダラしたいなというとき、コロナ禍以降うちの近くのカフェやファミレスがどこも22時とか23時で閉まるようになってしまい、居酒屋だけが24時以降も開いているんです。あと今は、居酒屋でも普通にWi-Fiが通ってるところも多くて便利なんですよね」(Tさん)
複数店舗を運営する居酒屋オーナー側も工夫
都内で居酒屋を数店舗運営しているYさん(30代男性)によると、「他に深夜帯にやっている店が少なくなった影響はあると思います」と話す。
「これまでならファミレスに集まっていたような大学生グループや、ママ友グループの割合は以前より多くなった印象です。そういう利用に合わせて店側もデザートメニューを複数もうけるといった工夫をするようになりました。
ソフトドリンクの種類も増やしていて、烏龍茶とオレンジジュース、コーラといった定番のものの他に、ジャスミンティー、緑茶、ほうじ茶、ラムネなどを用意し、さまざまな好みの方に選んでもらえるようにしています」
ただしYさんは、同時に悩ましさも口にする。
「幅広く使っていただけるのはありがたいし嬉しいのですが、やはりどうしてもアルコールを飲まない方は客単価が低くなりやすい。今後はデザートメニューの単価は少し高めに設定する、深夜帯はサービス料金を設定するなど、店の経営のための工夫を考えないといけない」(Yさん)
夜遅くまで営業し、酒も飲め、食べ物もある居酒屋が、これまでとはまた違う存在感を放ち始めているようだ。(了)