絵画購入で節税をしつつ資産運用にもつなげる
お金持ちになるためのステップは、まずお金がなければ、とにかく節約などで「貯める」。次に貯めたお金を元手に、事業拡大や運用などで「殖やす」。それが常道です。
そして、その次に行き着くのが、殖やしたお金を「いかに減らさないか」というステップです。
これまで紹介してきたように、富裕層が最も力を注ぐのが、お金を減らさないことです。「これだけ手にしたのだから、少しくらい贅沢してもいいだろう」などとは考えず、「何としても減らしたくない」と思いを募らせ、支出を減らすことに血道を上げる。
それはもう一般的なサラリーマンの比ではなく、持てる者ならではの悩みかもしれません。そこで目を向けるのが「節税」です。
先祖代々の土地を引き継いできたような旧来の富裕層にとっては、自分の子どもや孫になるべく多く資産を遺すために、不動産や法人設立などによる相続対策が第一となります。
一方、新富裕層は自らの収入を減らさないための対策を重視する傾向が強い。たとえば資産管理法人を作って、家族に所得を分散したり、支出の多くを経費として計上する。
「税金を払うくらいなら経費で落とそう」といった考えから、高級車を購入したり、食事の際はとにかく領収書をもらって接待交際費で落としたり、余念がありません。
ただし、少し前までは日本よりも税金の安いシンガポールなどに移住して節税に励む人も多かったのですが、規制が強化されるなど、これまで通用していた節税スキームはどんどん減ってきています。
さらに、2016年から「マイナンバー」が導入され、現在は移行期間のため強制力はありませんが、今後は収入の捕捉がより厳しくなるのは間違いなく、“お金持ち包囲網”が狭まっているのが実態です。
とはいえ、そうした中でも新富裕層は、新たな「節税術」の開拓に余念がありません。