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お金持ちはますますお金持ちに 新富裕層の「財テク&節税術」全部見せます!

 たとえば、まだほとんど注目されていないのですが、「絵画」を使ったスキームです。これまで絵画などの美術品は1点20万円未満のものなら減価償却資産として計上することが認められていたのですが、その基準が今年1月から「100万円未満」まで引き上げられました。100万円未満の絵画購入が節税につながるわけです。

 しかも、美術品競売で国内最大のシンワアートオークションが算出する、日本人画家が描いた日本画や西洋画を対象とする「近代美術オークションインデックス」によると、バブル期の1990年9月の1万ポイントをピークに2012年2月に318ポイントまで下落。

 直近でも15年7月の高値から約4割低下と、絵画の国内価格は下落傾向が鮮明になっています。

 税制変更によって節税枠が引き上げられる一方で、絵画を安値で仕込む好機が続いており、ひそかに100万円未満の絵画を買い漁る新富裕層も登場しているほどです。

 加えていえば、相続に伴って絵画を手放す旧来の富裕層が増えていることなどから国内価格は下落していますが、海外ではインフレヘッジの手段として絵画の購入が進んでいるため、海外の方がより高く評価される絵画もあります。

 内外格差という「市場の歪み」をうまく活用できれば、節税効果だけでなく、国内で安く買って海外で高く売るという資産運用につながることも期待できます。

 新富裕層にとっては「守り」を固めつつ「攻め」に転じることもできる手法として、今後注目が高まるかもしれません。

短期的な相場変動ではなく「景気循環」を重視

 さて、ここまでは「資産防衛」を中心に話を進めてきましたが、新富裕層たちの「資産運用」はどうなっているのか、気になるところでしょう。

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 実は、新富裕層が財を成したのは、バブルにうまく乗れたからではありません。むしろ08年のリーマン・ショックに代表されるような世界的な経済危機の最中に様々な資産を買い進め、その後の上昇局面でいち早く売り抜けるという大勝負で勝ってきたからです。

 これは投資に限らず、事業にも共通することですが、ほとんどの人が手を出しづらい状況でリスクをとり、大きなリターンにつなげる。

 だからこそ資産運用では短期的な相場の上げ下げは気にもとめず、もっと長い目で見た「景気循環」を重視しています。

 昨年来、盛り上がりを見せる「トランプ相場」に一喜一憂している人も少なくないと思いますが、ほとんどの新富裕層は「いまは売りのステージ」と見て、すでに昨年までに株や不動産を売却。むしろ「トランプ相場後」のショックを見据えて、キャッシュポジションを増やし、「いつ下がるか」を待ち構えているような状況です。

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