キウイの量が多すぎてなかなか減ってくれない贅沢な悩み
挙句の果てにはミカンやキウイなどを育てている農家から「タダでよか」と言われ大量に果物を渡され、「さすがにそれは…」と多少はお金を払いますが、そうはいっても激安価格。実はキウイについては、3月末に3000円で200個ほどを譲り受けたのですが、まだ食べきれておらず、冷凍庫に大量のキウイが入っている状況です。2日に1回ほどデザートで食べるのですが、量が多過ぎてなかなか減ってくれない。もうカキ氷機で削って食べるのがいいかな、と思っています。贅沢な悩みです。
そしてまた来年春になると、キウイを一箱ゲットするかもしれません。懲りないな。でも、このキウイのお陰でこの8ヶ月間、果物に使った金額はかなり少なかったです。ブドウやら梨やらといった季節ものは買いますが、基本的に冷凍庫にグリーンとゴールドのキウイが入っているので、デザートはすでに揃っているわけです。
なぜ私がこうした生活を送れているのか考えてみたのですが、結局は良い人間関係をいかに築くか、ということにかかっているように感じます。人間は見知らぬ人・関係性がない人に無料で食べ物を分け与えることなんてないですし、一緒に漁へ行く誘いなんてしないもの。地方生活を通じ、「信用経済」という概念をしみじみと実感しています。
やはり重要なのは、「感じよくする」「感謝する」「食べた感想を言う」といった人間関係の初歩のスキルです。ちょっとめんどくせーな、と何もこれらをしない場合、もう金輪際お誘いはこないでしょう。それだけ人間は、感情で他人に対する態度を決めます。感じの良い人には親切にしたくなるものです。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は倉田真由美氏との共著『非国民と呼ばれても コロナ騒動の正体』(大洋図書)。