今季のプロ野球は平均年俸で12球団1位のソフトバンクや同2位の巨人を下したDeNA(同6位)が“下剋上”の日本一に輝いた。今季を振り返って、巨額年俸を手にしながらそれに見合う活躍をしなかった選手は誰なのか──年俸あたりのコスパを徹底検証した。【前後編の前編・投手編】
大減俸は避けられない田中将大
今季、一軍で登板した投手は348人、一軍出場のあった野手は319人。プロ野球を各種データから分析した『データ・ボール』などの著書があるライター・広尾晃氏協力のもと、各選手の年俸と成績から“コストパフォーマンス”を算出。投手と打者でランキング化した。まずは投手編だ。
「年俸1億円以上で一軍出場がなかった投手はロッテのフェルナンデス(27、年俸1億8000万円=推定、以下同)とソフトバンクの武田翔太(31、1億5000万円)で、この2人は“コスパ算出不能”で最悪。他の投手については、『登板1イニングあたりの年俸』を計算して順位をつけました」(以下、「 」内は広尾氏)
ワースト10のなかで注目は4位の楽天・田中将大(36)。今季の年俸は2億6000万円だが、来季に向けてすでに野球協約で定められた減額制限(年俸1億円超なら40%)を超える減俸となる見込みだと報じられた。
「今季の登板はシーズン最終盤のわずか1試合。しかも5イニング(自責点4)で負け投手になりました。1イニングあたりの年俸は5200万円。日米通算200勝まであと3勝に迫り現役続行にこだわっているとされますが、大減俸は避けられないでしょう」