仕組みを理解しないままに始めてしまう悪癖
この時期は日経平均が下がると基準価額が上昇する「ベアファンド」でリスクヘッジもしていた。今から思うと「何を生意気な」という話だが、1997年はアジア通貨危機の年でもあり、自分なりにいろいろと考えていたのだ。
しかし、考えが浅かった。
この225ベア型の、正確には下げ幅の2倍の値動きをするダブルベア型のファンドを買ったのは1997年8月。日経平均は1万7000円ほどだった。
翌年1月、日経平均は1万6000円へ下がっていた。本来なら下げ幅1000円の2倍、2000円幅の利益になっていてもよさそうなのに、基準価額は下げていた。
そんなバカなと思い、商品性をよくよく調べてみると、この投信は激しい値動きがあると原資産である日経平均との連動性が薄れ、また時間とともに基準価額が下がっていく商品特性を持っていた。1万7000円での購入後、一時は1万4000円まで急落し、さらに1万6000円へと戻る激しい値動きをしていたため、原資産と基準価額との間に大きな乖離が発生していたのだ。
これでは何のリスクヘッジにもならない。結局、マイナス13%で損切りした。
ワラントやオプションでもそうだったが、「とにかくやってみなければわからない」と仕組みを理解しないままに始めてしまう悪い癖が自分にはある。
やってみなければわからないことはたくさんあるが、やってみる前にわかっておくべきこともたくさんあるのだ。最低限の知識すら持たずに参戦して勝てるほど、甘い世界ではない。
※www9945・著『年収300万円、掃除夫だった僕が7億円貯めた方法』を元に一部抜粋して再構成
【プロフィール】
www9945/元清掃員。個人投資家。東京都在住。チャートや企業分析などあらゆる角度から銘柄を選定し、信用取引を駆使して投資を行なう。1996年から本格的に投資を始め、2004年から現在のハンドルネームで投資ブログを開始。著書『年収300万円、掃除夫だった僕が7億円貯めた方法』(宝島社)が発売中。