投資情報会社・フィスコが11月18日~11月22日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は上昇一服か。米インフレの再加速やトランプ次期政権への政策期待で、リスク選好的なドル買いが大幅に縮小する状況ではないが、日本政府による為替介入が一段と警戒され、投機的な円売りを抑制しそうだ。
11月13日に発表された米国の10月消費者物価指数(CPI)と14日の10月生産者物価指数(PPI)はいずれも前回を上回り、インフレ再加速の可能性が示された。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「経済は、利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」との見解を伝えている。12月に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ポイントの追加利下げが見込まれるものの、来年1月の次回会合では政策金利は据え置きとなる公算。追加緩和観測は後退し、リスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。一方、11月22日発表の日本の10月CPIコア指数が市場予想と一致、または下回った場合、日本銀行が12月に追加利上げを決定する可能性は低下する。
ただ、1ドル=160円に接近した場合、日本政府は一段の円安阻止に向けたドル売り・円買い介入を実行するとの見方は残されており、日本の通貨当局や政府要人の円安牽制には敏感に反応し、ドル買い・円売りは抑制される可能性がある。
【米・11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数)】(21日発表予定)
21日発表の11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は+5.0と、前回の+10.3を下回る見込み。景況感の悪化により株安・ドル安要因になりやすい。
【日・10月CPIコア指数】(22日発表予定)
22日発表の日本の10月CPIのコア指数の伸びが鈍化すれば、日本銀行による12月追加利上げ観測は後退し、主要通貨は対円で下げづらい展開となりそうだ