ローラはもう引き戻せないところまできているのか
このゲームをプレイして痛感したのは、“多額の借金をギャンブルで返済しようとしている人”を説得することの難しさだ。借金が返せなくなった結果、“自分はもう終わった”と感じてしまった人は、なかなか他人の声に耳を傾けようとしない。ゲーム内のローラはまさにそういった状況であり、主人公がどんな言葉をかけても簡単に状況は好転しないのだ。
おそらくこのローラは、すでに引き戻せないところまできているということなのだろう。つまり、ギャンブル依存症対策において重要なのは、引き戻せないところまでくる前に、周囲の人間がしっかりとケアすることではないか。最悪な状況になったときに、周囲ができることは限られている。だからこそそうならないように、早い段階からギャンブル依存症の怖さを知り、対策をしていかなければならない。
ローラだけでなく、主人公もまた簡単にカジノで身を滅ぼしてしまうという、なんとも絶望的なゲームではあるが、確実にギャンブル依存症の怖さを体感することができた。
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